志賀原発1、2号機が停止している現在、電力供給の要の1つである北陸電力七尾大田火力発電所。
9月22日、その2号機で火災が起きました。
再稼働のめどは立っておらず、暖房需要が高まる冬に向け関係者の間では困惑が広がっています。
事故の概要
引用元:北國新聞2018.9.24
2018年9月22日午後10時ごろ。
北陸電力七尾大田火力発電所2号機(石川県七尾市大田町)のタービン付近から火が出ているのを、発電所の職員が発見。
消防に通報しました。
出火から4時間ほど経った、23日の午前2時15分に火災は鎮火。
北陸電力によれば、タービン付近から煙とともに火柱が上り、安全装置が作動し強制停止したとのこと。
引用元:石川テレビ
幸い、火災によるケガ人や外部への影響はありませんでした。
石炭などの燃料を燃やすことによりボイラーで高圧高温を作り出し、その蒸気を受けてタービンが回転され発電機が動き電気が作られる。
1995年に1号機(出力50万kw)・1998年に2号機(70万kw)が営業運転された火力発電所。2号機はCo₂の排出を抑えるため、石炭の一部を”木質バイオマス”に替えて混合運転して発電する「木質バイオマス混焼発電」を行っている。
樹木の伐採や造材のときに発生した枝、葉などの林地残材、製材工場などから発生する樹皮やおがくず、住宅の解体材や街路樹を整えるために切り落とした枝などの種類がある。
事故の詳細
北陸電力は、9月23日から24日にかけて2号機を停止させ、”排煙脱硫装置”を修理する予定でした。
排ガス中の硫黄酸化物を除去する装置。
そのため、火災が発生した9月22日は、2号機の運転停止に向けて出力を少しずつ下げており、午後10時には停止するはずだったそうです。
引用元:石川テレビ
しかし、午後9時54分、安全装置がタービンの揺れを検知したことで強制停止。
異常を確認するため当直の社員が急いで現場に向かうと、タービンの軸受け付近から約2.5mの火柱が勢いよく上がっていたとのこと。
職員は消火器で消化活動するとともに、七尾鹿島消防本部に連絡。
15台の消防車の出動により鎮火されました。
火柱を見た社員と発電所付近の住民は、出火前後に「ガガガガ!」と大きな音を聞いたと話しているそうです。
火の気のないタービンの軸受けから
幅約30mのタービンは、本来は火の気のない部位とのこと。
軸受け部分には潤滑油が使われていますが、それが今回の火災に関係しているかどうかはわかっていないそうです。
引用元:エクール
高速回転するタービンには摩擦熱が発生するため、部品は熱を帯びることになります。
しかし火災が発生したのは、その回転の速度を落としている最中。
関係者は、
「摩擦が弱まっている最中のことであり、何が起きたのか調べてみないと分からない。」
と、話しています。
火災の翌日の23日。
七尾鹿島消防本部が調査に入りましたが、タービンの熱が下がるまで調査できないため、自然冷却を待って24日に実況見分を行うとのこと。
どれほどの面積に被害が及んだのかも、まだわかっていないそうです。
再稼働のめどが立たない?
今回の火災を受け、北陸電力石川支店の担当者は、
「現時点でめどは立っていない。」
と再稼働時期について説明。
引用元:neokogyo.jp
出力70万kwの七尾大田2号機。
北陸電力の火力発電設備としては、福井県敦賀市の敦賀2号機と並び最も大きい火力発電所です。
志賀原発が停止している現在、北陸電力の主力電源となっているのです。
北陸電力は、1号機や水力発電などでカバーする方針とのことですが、2号機の停止が長引けば、電力の供給に影響が出る可能性も。
現時点では、夏の暑さが落ち着き、冷房に使う電力の需要が減っているため、すぐに電力不足になる可能性は低いとのこと。
しかし、冬に必要な暖房に使われる電力は、冷房以上に大きいそうです。
もし、本格的な冬を迎えるころに、2号機も原発も停止していたら電力不足になる可能性は高まると考えられています。
発電所の生命線ともいえるタービンのトラブル。
北陸電力の関係者は、復旧には時間がかかるのではないかと語ったとのことです。
更新情報(タービン翼の亀裂が原因)
10月に入り、火災の原因はタービンの羽根に何らかの原因で亀裂が入ったためと分かりました。
タービンを回転させるためにボイラーから送られる蒸気を受ける羽。
その後の調査で、タービンの羽根のうち9枚が折れ、58枚に傷があることが判明。
引用元:石川テレビ 県内ニュース
そのためにタービンのバランスが崩れて振動が発生。
内部の油が漏れて引火した可能性が高いとのこと。
北陸電力は、羽根が折れた理由を“傷をきっかけに亀裂が広がったため”と推測しています。
1997年製のタービンは、去年(2017年)4月の定期点検では異常は見つからなかったそうです。
北陸電力は、羽根が折れた原因について引き続き調査するとのことです。
事故の現場は
火災が発生したのは、石川県七尾市大田町114−2-4にある北陸電力七尾大田(ななおおおた)火力発電所の2号機です。
2018年8月末現在の人口、53,138人の七尾市。
石川県の能登地域の中心都市として栄えた素朴な町で、富山湾や七尾湾に面した市内には能登島があります。
自然に恵まれ、古い建物や歴史的建造物も多く、どこか懐かしさを感じられる地。
能登島大橋の開通によって、のとじま水族館やガラス美術館、ゴルフ場などの観光スポットが次々に建設。
今では年間100万人が足を運ぶ観光地となっています。
ネットの反応
軸自体は燃えたりしない潤滑用のオイル、カバーへ塗布されたペンキ樹脂etc
通常運転ならまだしも SDMのための操作でしょ、起動時と停止時は一番気を使うとき
センサーやDCMまかせじゃなくて、アナログでも目配り3現主義を徹底しましょう引用元:Yahoo!ニュース
軸受油の漏洩しかないだろう。油切りの不具合かな。
引用元:Yahoo!ニュース
タービンから出火したそうです。中日新聞に記事あり、停電せんでよかった。
引用元:爆サイ.com
火力なので火は燃えます
引用元:爆サイ.com
原発を稼働しないと太陽光パネル利権村のサヨクにヒルのように金を吸い取られ日本は終わりますね‥
引用元:Yahoo!映像ニュース
太田火力なしでも北陸電力は、余裕でしょ、これから雨もふえるから心配なしやろ、原発いらない。
引用元:Yahoo!映像ニュース
事故の原因に言及する声。
電力について不安視する声。
大丈夫だろうと推測する声。
専門的なことはわかりません。
しかし、電力に頼り切って生活している現在。
もし電力不足になったらと思うとゾッとします。
復旧に関わる方々も必死になっておられることと思いますが、安心して冬を迎えられる電力状況が維持されることを祈ります。
発電所に限らず、大規模な火災や爆発などは恐ろしいものです。⇒
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